「似ている動きの銘柄」または「反対の動きの銘柄」のリストを見ていても、なかなか自分にピンと来る銘柄がないという場合もあるでしょう。例えば、「魅力ある銘柄だけど、私の投資資金には合わない」とか、「私は手堅く東証1部にしか投資したくないのに、新興市場銘柄ばかりリストアップされている」など……。これでは、「使えない」となってしまいますね。しかし、少し工夫すると、候補となる銘柄の幅がグンと広がるのです。
このリストには、10銘柄がランキングされています。例えば、NTTの似ている銘柄を探しているとしましょう。まずは、第1位の銘柄を選択しますね。そこにある銘柄が、あなたの求めるものではなかったとしましょう。この時に取る方法はいくつかあります。まず一つ目に言えるのが、第2位、第3位、第4位と、どんどんランキングの下を見ていく方法です。まずは、ランキングの上から下を見て、銘柄を探します。しかし、この中に気に入った銘柄がない場合がありますね。時には、あなたが除外したい条件の銘柄ばかりランキングされている場合もあります。そのような時には別の策を取りましょう。今度は、第1位にランクされている銘柄に似た動きをする銘柄を見てみるという方法です。「NTTに一番似ている銘柄に、更に似ている銘柄」です。新たな銘柄に出会えるかもしれません。しかし、「似ている銘柄の似ている銘柄」ですから、人間でいえば親戚みたいな関係です。ですから、実はNTTの似ている銘柄の中にすでにランキングされている場合もあります。そのような時は、第2位の銘柄の「似ている銘柄」もチェックしてみましょう。このように幅を広げていくと、自分にしっくりする銘柄が見つかるのではないでしょうか。
反対の動きの銘柄も同様の考え方ができます。こちらもトップ10のランキングを活用します。NTTに似ている動きをする銘柄の反対の動きをする銘柄をチェックしていくと、銘柄を選択する幅が増えていくというわけです。もちろん、反対の動きをする銘柄の似ている銘柄を見つけるという方法もあります。
つまり、基準となる銘柄を見つけたら、その似ている動きをする銘柄と反対の動きをする銘柄を徹底的に調べていくと良いでしょう。そうすれば100近くの銘柄に出会えるかもしれません。しかし、一つ注意することがあります。「似ている銘柄の似ている銘柄の似ている銘柄……」と調べていくと、基準となる銘柄からどんどん遠い関係になってしまい、本当にあなたの求める銘柄を探せるのかわかりません。とはいえ、これまで、多くの先人たちが、チャートをペラペラ捲(めく)りながら、カードゲームの「神経衰弱」をするような効率で、総当りに調べていたことを思えば、いくら探査範囲を広げても、効率が極めて良いことはまちがいないでしょう。
(2011/07/1掲載)