インターネットが私たちの日常生活に欠かせない存在になった今、あらゆるモノの発展のスピードは、非常に早くなっています。それは、株式の世界でも同様です。米国、欧州、アジアで大きな問題が起こると、即座に日本市場にも影響を及ぼします。世界中の市場は、24時間の間に次から次へと開いていきますが、まるで話題のバトンが渡されるかのように、次々と問題が起こり、NY市場が下げると、日本市場も下げ、アジア市場も下げ……と、世界中の株価が連動します。不思議なことに、良いニュースはあまり明確にバトンタッチされずに、悪いニュースばかりが、しっかりと受け止められていくように見えるのは気のせいでしょうか。
バブル以降「失われた20年」が経過しました。そして、さらに「失われた30年になるのではないか」とさえ言われる場合もありました。そこに、今回の死者・行方不明の方が3万人に迫り、20万人以上の方が避難所生活を強いられる東日本大震災、さらにレベル7の原発事故が重なっているわけですから、歴史上最大の危機がわが国を襲っていることは疑いようもありません。日本経済が巨大な復興景気に沸くのか?原発事故による放射線の脅威に押しつぶされるのか、安易に答えは出せません。では、私たち投資家は、先行き不透明な時は投資をしないということで良いのでしょうか。いいえ、そうではありません。
震災が起こっても、上昇する銘柄はあります。全体的に株価が大きく下げたというニュースはありましたが、その後順調に値を上げる銘柄もあることはあまり一般には伝わっていません。東京電力のような原発事故の張本人でさえ、来る日も来る日もストップ安で大きく値崩れしても、逆に上昇するとなればストップ高となる場合もあるのですから、結果出来高は、サーバーが処理に梃子摺るほどの大商いとなっています。
つまり、相場が悪くても、先行きが不透明でも、投資でリターンを得るチャンスはあるのです。いや、先行き不透明だからこそ、リターンが大きいのです。それを知るつわものと、恐れ戦いて、安値を売り叩いてしまう素人たちの葛藤劇なのです。いつの世も、この世界は「相場が良くなったら投資しよう」と思っているものたちには、投資のリターンは保障されないのです。永遠の「様子見の投資難民」となっていませんか。「ここは、不透明な材料がなくなるまで様子見でしょう。大底確認まで、何もしません」というような、良心的なアドバイスに聞こえる素人相手の助言こそが、私たちの資産を食い物にして生きる、悪魔の囁きなのです。
相場が強い時は積極的に買い、悪い時は徹底してカラ売り。そんな戦略が求められます。これはリスク管理の点からも、システム投資は欠かせないツールです。また、先にも述べた通り、スピードが速いですから、世界情勢が即座にあなたの保有銘柄にも影響を及ぼすこともあります。逆に、ある日突然、買いのチャンスが到来することもあります。
システム売買の最大の強み、それは常に相場に関わりながら、タイミングを測っているということです。恐る恐る安全なところから下げ相場を眺めている投資の初心者と、対極にある存在とも言えそうです。
もちろん、OFFICE REIでも、今回の震災の際に「震災銘柄」を掲載するなど、タイムリーな情報を日々お届けします。
(2011/04/22掲載)