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【第11回】買い下がり1
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 前回、「損切りか?買い下がりか?」ということをテーマにご説明させていただきました。損切りに比べると、買い下がりはリターンを得るチャンスが多くあるようで、魅力的に感じます。しかし、気をつけなければならない点があります。


 買い下がりは、何回買い下がるかにもよりますが、十分な資金が必要となります。資金がなくなると、買い下がりができなくなってしまいます。考えてみるまでもなく、資金がなければ、リスクも取れないということです。


 他にも、問題があります。買い下がりとは、平均単価を下げる行為です。 将来の株価上昇を見込んで行う行為です。どこまでも株価が下がり続ける銘柄に投資することには適しません。例えば、上場廃止になる銘柄に対して買い下がり戦略を取るというのは愚の骨頂です。マネーゲーム化したような値動きの銘柄に対しては、絶対にやってはいけない行為なのです。今まで株価100円くらいで推移していたものが、最後には1円・2円という株価をつけるような場合もあります。1円、が2円になるだけでも、50%の利益ですが、1000株単位の銘柄なら、1000円で最低単位を買って、2000円で売るというだけのために、命がけの投資をする必要があるでしょうか?このような銘柄に株価1000円・2000円の時から買い下がりを行っていたら、最低単位でも1000株で100万円の損失を出すことになってしまいます。こうなった場合に、100万株を1株1円で買って、2円で売らないと損になることになるのです。いずれは元の株価に戻って、さらに上昇してレベルが変っていく銘柄をきちんと選択すべきです。


1000円、900円、800円と買い下がっても買値を上回る株価はつかない マネーゲーム化した銘柄は、買い下がりではなく、1円で買い、2円で売るといった投資手法が求められる


 また、買い下がりは、1日2日で結果が出るような方法ではありません。買い下がりは、ある程度価格が下がった時に買い下がりを行わないと、平均単価が下がりません。500円で買い、490円で買い、480円で買い……という場合、平均単価は490円でしかありません。500円で買い、400円で買うと、平均単価は450円になります。これだけ株価が動くのを待つということは、時間がかかります。さらに、またリターンを得るのにも時間がかかる場合があります。ですから、1日・2日で成績を得たいという戦略の人には向かない戦略といえます。


株価が491円にならないとリターンが得られない→買い下がりの効果が小さい 株価が451円になるとリターンが得られる→買い下がりの効果がある


 買い下がり戦略は、損切りを行わずにリターンを得る手法の1つでありますが、戦略を誤ると、損を拡大するという危険性も持ち合わせています。買い下がりの戦略を行う際には、十分な戦略を考えておくことが必要といえるでしょう。


    (2010/5/7掲載)


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