買い下がり戦略は、株価が下がった局面で買い増ししてリターンを得るチャンスを作ることができる、魅力的な投資手法の1つです。しかし、買い下がる方法を間違えると、まったく買い下がりの効果は得られなくなります。前回ご説明しましたが、わずかな値下がりのたびに買い下がるのでは、買い下がりの効果は得られません。500円、490円、480円と買い下がるのではなく、500円、400円と買い下がることで平均単価を下げることができるわけです。そして、他にも買い下がりにはいくつか注意しないといけない点があります。
ところで、何回買い下がれば良いのでしょうか。また、その答えはどのように求めればいいのでしょうか?1回の買い下がりで結果がすばらしいことになるか、何度も何度も買い下がらなければならなくなるか、状況はまちまちです。何度買い下がるべきだったかという答えは、時間が経過した後に、株価を振り返ってみてわかることなのです。「これから買い下がろうか」という時には、「あと何回買い下がる」ということは誰も答えられないのです。だれにも答えられないからこそ、リターンを手にするチャンスが生まれるのです。投資の世界ではこれが当たり前ですね。では、誰にもわからない未来の株価動向を、どんな方法で推測するのでしょう?
株価は気まぐれに動いているようですが、そうではないのです。トレンド上で推移していたり、ある一定のレンジの中でボックスの動きをしていたりするものです。過去の株価推移を参考にし、「この水準以下に下げたら1回買い下がってみる」などということをあらかじめ考えておき、株価がその地点に到達したら行動するのも一つの方法かもしれません。
他にも、OFFICE REIの中のサービスで「銘柄分析」というサービスがあります。もし、あなたが銘柄を買ったもののずっと下がり続けている場合には、この中の週足、すなわち中長期分析のデータを用い、REIが弱気を言っているかどうか確認してみましょう。そして、REIが示すフシ目となる値をチェックした上で、ご自身で買い下がりの値を決定するのも1つの方法かもしれません。そのフシ目が、前の買いの水準から近い場合は、もう少し様子を見るということで、見送るのも良いかもしれません。
もしREIが強気を言っている場合は、買い下がりではなく単純に買い増しというアクションを示唆しているとも理解できます。あなたは買い下がりたいと思っていたのにも関わらず、REIが強気を言っているという場合は、買い増しなど考えずに悠然と構えても良いかもしれません。
(2010/5/14掲載)