前回まで、投資スタンスにより、同じ銘柄でも売買に関する判断が異なるというお話をしました。今回は、指標により異なるという話をします。
例えば、GCVで分析すると買いだが、移動平均で言うと売りということはあります。「どちらを優先すべき?」とお悩みになるかもしれません。それはあなたがどの指標で分析するかにより結果が異なります。
指標を活用する場合は、GCVのサインで買って、移動平均線を参考に手仕舞い、次の買いは平均足で分析し、その手仕舞いをMACDで行うなどという使い方は正しい使い方とは言えません。どの指標を中心に分析するかという基本を1つ定めておく必要があります。
その指標をより精度の高いものとして分析するために、2つの指標を「同時」に見るのであれば、それは良い使い方と思われます。ですが、混ぜてしまってはいけません。指標には、その指標独自の流れがあります。その波動を活かした分析なのですから、1つの波動を集中して見ていかなければなりません。例えば、GCVは起伏があるため、移動平均線に比べたらゴールデンクロス、デッドクロスになるタイミングが頻繁になります(ただ、周期にもよります)。しかし、移動平均線はもう少しのんびりしています。少しゆったりした指標といえるでしょう(周期にもよります)。ですから、GCVの買いサインを参考にしたら、売りサインもGCVで判断する、移動平均線で売りサインを確認したいなら、買いサインも移動平均線を使うなど、1つの指標を基本に分析しなければなりません。
それには訳があります。それぞれの指標で、売りと買いが交互に反復するからこそ、売買が完結します。異なった指標で売買サインを検出すると、買いの後にまた別の指標で買いがアナウンスされたりすることも発生します。買いポジションに売りサインがない状態で、どんどん株価が下げたら大変です。
そうした矛盾が起こることを承知の上で、複数指標を利用する売買サインを試すなら、それは、十分に価値があることも事実です。しかし、初心者には少し難しい挑戦になることを承知しておいてください。
(2010/9/10掲載)