投資の世界において「システム投資」というのは、目新しいものではなくなりました。特にFX投資の場合、コンピューターが自動的に売買するシステム投資が増えてきています。しかも、これまでの法人顧客など、大口の投資家にしか使えない高額な利用料も要りません。システム投資は、個人投資家レベルで使えるようになってきているのです。ですから、投資の世界においてシステムが介在することは、今や一般的といえます。決して珍しいことではないのです。
株式投資とは、もちろん利益を得ることが第一の目的です。しかし、一方で、ご自身が立てた投資方針がピタリと当たりリターンを得られるというのも、投資の醍醐味の一つといえるでしょう。努力が報われることの喜び、それは、投資に限らず、私たち人間だけに与えられた特権です。投資を人生の楽しみとされている方もいらっしゃいます。ご自身による分析がピタリと当たれば、ご褒美として利益が得られるわけですから、生きがいにもなりますね。
「システムによる投資」と聞くと、「機械に支配されているみたい」と思われている方もいらっしゃるでしょう。ご自身で投資を楽しまれている方に対し、あなたの生きがいを失ってまで「システム投資へ移行するのが良いでしょう」とはご提案しません。しかし、ご自身で投資されている方は、痛感されているではないでしょうか。いつの世も、投資は必ずしも予測した通りにいかないこと、そして、さらには、成熟化した経済の元で、長期保有だけで資産を増やすことが難しいことも……。ご自身の判断だけでは、感情に負けてしまい的確に判断を下せないこともあります。
「システムに支配されるのはイヤだけど、システムに頼りたい」と思われるのであれば、投資資金の半分はご自身の判断で、そしてもう半分はシステムによる分析を用いて投資するという方法はどうでしょう。あなた自身にかかる負担も軽減されるのではないでしょうか。半分の資金に対しては、全力で投資に臨み、あと半分はシステムによる投資を淡々と行っていくという方法です。これなら、「システムに支配されている」という感覚も薄れ、自分で投資しているという手ごたえも強く感じ取れます。
「システムとの上手な付き合い方を考えていく」それは、投資戦術の一つとしてきわめて重要なこととではないでしょうか。
(2010/11/5掲載)