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【第9回】損切りの考え方4  〜損切りルールを決める〜
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 損切りシリーズも4回目を迎えることになりました。「損切り」をテーマにした記事ばかりを読むと、「株式投資って、損して売ってばかりで、結局儲からないのではないか?」と疑いを持つ方もあるのではないでしょうか。確かに、いつも「下がったらすぐに損切りを実行するする」という行為を取ると、損切りに損切りを重ね、利益を得るチャンスを失います。ですから、「下がったからリスクを最小にするために即座に損を切る」という行為を繰り返すと、リターンは一向に得られません。


 銘柄を買った場合、あなたの買値を一度も下回ることなく上昇し続けるというのは、非常に珍しいことなのです。たいてい、どこかで一度は買値を下回りマイナス水準を経験するものです。その時、あなた自身がどのように判断するかが一番の問題なのです。「私は中長期投資なので、これくらいの損は許容範囲」と考え、評価損として保有することを検討するか、または「私は1円の損も許せない。だから損は即座に切る」という戦略で臨むか、それはあなたの投資スタンス次第なのです。


 少しでも損が出ている時は、時間が過ぎるのも長く感じるものです。また、1円の損でも非常に痛く感じるものです。しかし、あなたが損切りをした途端、株価は上昇に転じ「保有していたら利益だったのに!」と、ジダンダを踏むこともあるかもしれません。





 逆に、「いつか上昇するだろう」と保有したままでいると、1割、2割とどんどん株価がさがっていき、0が1ケタどころか2ケタ、3ケタと、その時点では、「なぜ、もっと早く損切りしなかったのか」と後悔するという銘柄もないわけでもありません。「どうして私の思いとは逆に株価が動くの?」とイライラされることもあるでしょう。それこそが、市場参加者があなた以外にたくさんいて、あなたを含むほとんどの人が、あなたと同じ思いを共有しているという市場原理の正体なのです。そのような感情に振り回されないためにも、損切りコーナーでこれまで何度も述べさせていただいたように「あらかじめ投資スタンスを決めておくことが大切」なのです。



 「損切りを実行する・しない」には、絶対的な答えはありません。あなたの投資戦略により、答えが変わります。別の人が同じ銘柄を保有したとして、その株価が買値を下回った場合、その人が損切りをし、あなたが保有したままでも、「どちらかが間違い」ということは言えないのです。そもそも、その誰かの行動は、現実には株価の推移として推察する以外に方法がありません。もし、手の内を明かしてくれるお友達がいたとして、そのお友達が短期投資であなたが中長期投資なら、損切り派と保有派にそれぞれ合理的と判定できるか、そうとも言えないはずです。
 

 損切りをするかしないか、それは、損を切って、リスクを限定的に許容するか、損切りせずにリスクを全て許容するか、そのシンプルな選択の違いに過ぎません。むしろ、それをしないことで招来する投資の結果が、限定的か、劇的かの違いです。基本となる売買システムがしっかりしていて、なおかつ損切りルールが定まっているなら、利益の規模は限定的ですが、安定した収益を期待できるでしょう。もし、あなたがスペクタクルな偉業を成し遂げたいなら、損切りは不要かもしれません、しかし、損を切る資産さえないという敗れ方も未来には待っていることも、忘れてはなりません。


    (2010/4/23掲載)


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