投資家友達に自分が気になっている銘柄の話をしたら、「私もあなたと同じ銘柄が気になって買ったら上がったの。しっかり儲けたわよ！」と言われた場合、あなたはどうしますか？「私の分析は正しかったのね。友達も儲かったっていうから安心して買おう！」と、急いで証券会社に注文を入れますか？　そんなことはしませんね。自分が気になっていた時こそがチャンスで、すでに上がってしまったタイミングは、もはや、危険な存在でしかありません。

投資の場合「人と同じ行動をしてはいけない」とよくいわれます。しかし、人と違う行動をするには勇気がいります。むしろ、人と同じ行動をしている方が心は安らかなものです。他人の成功事例をもとに行動すると「おそらく自分も同じ結果が得られるのではないか」と考えるものです。しかし、それは、ノウハウの模倣や習得であって、投資目標のコピーではありません。友達が利益を得た銘柄だったら、「私の分析もまんざらではなかったのね」と、自分をほめて、それで、完結としてください。その先のタラレバの欲望は切り捨ててください。

株価の成り立ちから考えてみましょう。友達が気になって買った銘柄というのは、あなたをはじめ、友達や他の人たちが注目しており、あなた以外の人たちが買いの行動を起こし、それで株価がどんどん上昇していったものなのです。あなたの友達をはじめ他に注目した人たちが手仕舞っている段階です。あなたが「よしここで私も！」と買いに入ると……。あなたの後に続く投資家はいないかもしれません。そうなれば、買い手不在で売り手だけが目立ち始めて、どんどん株価が下がっていきます。このケースでは、「人と同じことをする」というより、「他人が仕込み終わった後で高値をつかみにいく」という状態です。買いたい人が多ければどんどん株価が上昇します。これを確認して「さらに上昇する」という判断を下せる要因がなければ、買いのアクションを起こすのは危険です。誰も気づいていない状況の買いシグナルを拾ってください。人気銘柄に追随するよりも、はるかに大きな利益がついてきます。

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