9205 日本航空(JAL)は、2月20日に上場廃止となりました。日本を代表する航空会社が上場廃止処分になるのですから、多くの投資家が失意のどん底に叩きこまれました。私鉄の西武が上場廃止に追い込まれた時も、ダイエーのケースでも同様でした。個人投資家が信頼し、安心して保有していた株式の上場廃止です。証券市場にとって計り知れないダメージであることは残念なことです。一方で、証券の世界は「生き馬の目を抜く」と言われるように、上場廃止が決まった銘柄は、マネーゲームの生贄(いけにえ)にされることにもなります。1円、2円で数万株を買い、3円、4円で全株売却することで、数日のうちに何回も売買を繰り返せます。上場廃止銘柄が命を終える直前に空前の大商いになるのはそうした背景があります。
老舗大企業の破綻というような異常事態を迎えた時に、REIちゃん投資顧問情報はどんな行動規範を示せるでしょうか?株価連動性リストを使って売買をする、独自の考え方を組み立ててみました。
JALのチャートをご覧ください。まるで滑り台のように、株価が急落しています。JALが破綻することになって、上場廃止に追い込まれ、株価が最後は1円になると知る前に、この銘柄の株主であることをやめることは不可能だったのでしょうか。OFFICE REIの情報を時々チェックしておくことで、不幸を未然に防ぐことが出来るのです。
OFFICE REIには、「似ている動きの銘柄」「反対の動きの銘柄」をランキングして示している「株価連動性リスト」がありす。前回は「似ている動きの銘柄」をご説明しましたね。今回は反対の動きの銘柄、つまりJALとは真逆の動きをする銘柄に注目してみましょう。
1月末時点のデータをチェックすると、新興市場に上場している銘柄が目立ちます。この玩具企業の急騰と、JALに不安な情報が流れていることを考え合わせ、この時点でさっぱりとJALを諦め、この急騰銘柄に乗り換えるべきでした。「まさか、日の丸航空会社を、国が潰さないでしょう」などと楽観的なことを考えず、データが示している方向に従うべきタイミングでした。その後、見事にJALとは逆の値動きを繰り広げます。
「反対の動きの銘柄」リストは、JALの破綻劇ような特別なケースより、通常の株価変動のピークボトムを判断するために、有効な情報となります。保有銘柄が上昇している時には、反対の動きの銘柄が一斉に上昇を開始するような場面があれば、保有株の売却を検討すべきです。何らかのインパクトが、保有銘柄の株価をピークアウトさせた可能性があります。そのインパクトの内容が、まだ広く一般に知られていないだけかもしれません。反対の動きの銘柄が一斉に動くほどの何かがあると、先にわかるだけでも、大きなアドバンテージなのです。
(2010/2/19掲載)